英語の発音が上手くなりたい人
「英語の発音はどうすれば上達するのか知りたい。発音の何をどれだけやればいいんだろう。いったいどこから手を付けたらいいのか... 具体的な方法を教えてください。」
こういった疑問に答えます。
Contents
①目標設定:3ヵ月でカタカナ発音から脱出!
最終目標は、「ネイティブに通じるレベル」でいいと思います。
すでに自分の位置をわかっていて、目標も明確ならそれでいいですが、僕が思うに「カンペキな発音は目指す必要はない」と思うので(というか、そもそも不可能に近い)、最終的に「ネイティブに通じるレベルで、明瞭でわかりやすい発音」のような感じを目指すといいです。しかも、それを常に意識することが大事です。
目標レベル:まずは3ヵ月で、カタカナ発音から脱出!
例えば、「ラベル」「ユーチューブ」「ツイッター」のように、カタカナの読み方は、たいがい英語からかけ離れた発音なので、ネイティブに通じるどころか、そもそも英語なのか何なのかさえ、彼らにはわからないことが多いです。
日本語の50音の発音を一切やめるくらいの気持ちで、少しでも英語らしく発音できるようになれば、それが「ネイティブに通じる」ことに繋がっていきます。
発音の基本、スペルの読み方の基本、を理解していけば、おのずと「明瞭でわかりやすい」発音になるので、まずはカタカナ発音から一日も早く脱却してください。そのためには、下の ③学習手順 のとおりに毎日練習すれば3ヵ月で発音のコツをつかめるはずです。
②基礎理解:そもそも英語と日本語の違いって何?
発音という側面から、英語と日本語の違いについて、ここで知っておきましょう。
英語の母音は日本語の3倍!
まずは、この図を見てください。
口を横から見た図です。左へ行くほど舌が前に出、上へ行くほど口が狭まることを表しています。
日本語と英語の母音の位置が、すべて違いますね。しかも、英語の母音は日本語の3倍って笑。
母音と子音を分けて意識する
英語では、母音と子音はそれぞれ単独で発音が存在するのに対し、日本語は、単独での子音の発音が存在しません。
50音のローマ字表記を思い出すとわかりやすいと思います。a, ka, sa, ta, na, .... という感じですよね。
日本語の音は必ず「子音+母音」のようにくっついているので、k, s, t, などが単独で発音するような平仮名はありません。
だから、日本人が英語の子音を練習するときに、どうしてもカタカナ発音になってしまいがちです。はじめのうちは、子音だけ取り出して上手く発音できないからですね。
英語の子音は2種類
子音を練習するときに重要なのは、有声音と無声音に分けて練習することです。
- 有声音: n, m, j, r, l, w, g, z, d, b, dʒ, ʒ, v, ð, ŋ
- 無声音: k, s, t, h, ʃ, tʃ, p, f, θ
すべての子音を、声が出る子音(有声音)と声が出ない子音(無声音)に区別できるようになってください。
これは今後の発音練習、特にリエゾンに大きく関わってくるところなので、とても重要です。
③学習手順:発音→リエゾン→センテンス
発音学習の全体の流れは次のとおり。
- 重要な子音
- 重要な母音
- 最難関のR&L
- 過去形 ed の3つの発音
- 語尾の発音4つのルール
- Tの変化【3つのルール】
- リエゾン【単語のつながり】
- 文のイントネーション
それぞれ詳しく解説していきます。
(1) 重要な子音
英語の子音の数は、全部で約25個ほどあります。「え…全部覚えるの?」と心配しなくても大丈夫です。日本人が苦手なものはだいたい10個程度なので、そこを重点的に習得すればOK。ここは数年後の自分の英語力を左右する重要なところなので、適当にやらず、しっかり納得のいくまで練習です。頑張りましょう。
※RとLに関しては、この下の(3)最難関のR&Lを参照
(2) 重要な母音
英語の母音は全部で約15個ほどありますが、重要なものは9個。
日本人が最も苦手な母音とは?
(3) 最難関のR&L
まず大事なことは、RとLはどちらも日本語のラ行ではありません。日本語のラ行で発音すると、rice(ごはん) → lice(シラミ)のように、思いも寄らない誤解を招きかねません。RとLは似ても似つかない音なのです。この2つを区別することは、英語を話すうえで外せない重要なことだと意識しましょう。完璧じゃなくても、ある程度発音できれば大丈夫なので、決して「ラ行」で誤魔化さないようにすることが大切です。
R&Lの効果的なトレーニング方法
「world」の発音方法
(4) 過去形 ed の3つの発音
過去形 ed には3種類の発音があります。全部「~ド」と発音しないようにしましょう笑。
- 動詞の語尾が無声音のとき ed [t] になる
- 動詞の語尾が有声音のとき ed [d] になる
- 動詞の語尾が t/d のとき ed [id] になる
なお、具体的なトレーニングはこちらの 過去形 -ed の発音は区別できていますか?の記事をどうぞ。
(5) 語尾の発音4つのルール
語尾のスペルが次のような場合には、ある共通した発音の特徴があります。カタカナ発音からの脱出に深く関わっているので、時間がかかると思いますが、何度も真似をして感覚をつかみましょう。
(2) -ageで終わる単語
(3) -an,-en,-on,-in,-ainで終わる単語
(4) -al,-il,-el,-leなどで終わる単語
語尾の母音はスペルに関係なく【すべてあいまい音】
(1)と(2)については、下記をご覧ください。
-ate -age は「エイト」「エイジ」ではない
(3)と(4)については、下記をご覧ください。
語尾がLとNはスペルに関係なくすべて同じ発音
(6) Tの変化【3つのルール】
「American T」「soft D」「Flap T」などとも言われるこのT音の変化は、大きく分けて3つの法則があります。英語独特の「T音の変化」が3種類あり、どれも流暢さに大きく影響するので頑張りましょう。
(2) 語尾ではピタッと止める
(3) Nの前後では消える
これだけ頻繁にTの音は変化する
実際のフレーズや文でトレーニングしよう
(7) リエゾン【単語のつながり】
リエゾンとは、文の中で単語と単語がつながって発音されてしまう現象です。例えば簡単な例をあげると、「weekend」は「ウィークエンド」ではなく「ウィーケンド」と繋げて発音されるような感じです。これに慣れないとリスニングもスピーキングもなかなか伸びません。
短い文でもネイティブが発音すると聞き取れないことがありますね。でも書いてあるのをみて「なんだ、そんなふうに繋がっていたのか!」というのが頻発している方は要注意です。
実際のフレーズや文でトレーニングしよう
(8) 文のイントネーション
文をネイティブのように滑らかにするには、強弱やリズムもナチュラルに言えなければなりません。何の単語を、強くまたは弱く発音するのか、文の種類で区別しながら学んでいきます。
実際のフレーズや文でトレーニングしよう
④実践練習:生活の中に毎日英語を入れる
上の手順をひと通りやってみた後は、実践あるのみです。今はアメリカに住んでるよ、という人なら実践の場に困りませんが、これを読んでくれている方はほとんどが日本在住ですよね。ネイティブの友人がいれば別ですが、そうじゃない方は、わざわざ駅前留学しなくても、生の英語に触れる機会は探せばたくさんあります。
スマホアプリで英語学習
スマホで英語を学んでみたい!という方は、最近CMで話題のスタディサプリ(スタサプ)が断然お勧め。理由は次の3点。
- いつでもどこでも学習できる
- 多彩なコースから選べる
- 年間コースは半額以下
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オンライン英会話
気軽に英語をしゃべる場数を増やしたいって方は、ネイティブキャンプ と レアジョブ英会話 の2つがおすすめ。
さらに、ネイティブキャンプは授業受け放題でもあります。どうやって利益を出しているのか謎ですが笑、利用できるものは利用しちゃいましょう。ちなみに、私もSkypeレッスンをしているのでよろしければ覗いてみてください。ちょっとだけ宣伝でした笑。
カフェレッスン
何と言っても対面なのに気楽です笑。カフェやバー等でお茶しながら、というシチュエーションは、英語の練習にはもしかしたらベストかも。場所のおかげで「レッスン」という堅苦しい雰囲気がないので、次第にそのネイティブともふつうに友達になり、レッスン以外でも会って飲みに行ったり遊んだりできますよ。カフェレッスンの魅力は何と言っても、そういうところ。私は30代のころ結構やってました。代表的なおすすめの老舗サイトは、
こんな感じですね。都道府県すべてをカバーしているはずなので、きっといいネイティブに出会えますよ。
YouTube
毎晩寝る前にYouTubeの動画を観るって人は結構多いと思いますが、英語の無料レッスンみたいなものを発信しているチャンネルもおすすめです。あとは、インタビューもの、トークショー、ゲーム実況なんかも完全に「生の英語」「素の英語」なので、個人的には映画やドラマよりもおすすめです。あとは、ライブ配信している場合には、リアルタイムで英語でいろいろな人達とチャットもできるので、英語力を試すのにはうってつけです。ちなみに、私が毎晩チェックしてるのはアニマルレスキュー系のチャンネル(例えば、Hope For Pawsなど)です。英語も聴けて同時にワンちゃんネコちゃん達に癒されます笑。
好きな俳優さんや趣味などが同じネイティブを探してフォローしておくのもおすすめです。教科書や参考書にはない、生の英語がやはり一番の教材です。この人の英語は勉強になるぞっていう時は「モバイル通知オン」にしておけば、スマホでリアルタイムにチェックできるのでおすすめですよ。
まとめ
今回は、英語の発音を中心に、さまざまな英語学習法をご紹介しました。
まずは、③学習手順 のとおりに3ヵ月毎日頑張りましょう。
②基礎理解:そもそも英語と日本語の違いって何?
③学習手順:発音→リエゾン→センテンス
重要な子音
重要な母音
最難関のR&L
過去形 ed の3つの発音
語尾の発音4つのルール
Tの変化【3つのルール】
リエゾン【単語のつながり】
文のイントネーション
④実践練習:生活の中に毎日英語を入れる
毎日5分でも10分でも構いません。英語を練習することが習慣になればOK。パソコンと向き合う時も、スマホをいじっているときも、テレビを見ているときも、いつも英語のことを考えましょう。
そうすると不思議と「上手になりたい!」という気持ちが強くなっているはずです。
もし3ヵ月たってもあまり変わっていないと感じたら、またこのページに戻ってきて、もう一度じっくりと読んでモチベーションアップを図りましょう。
最後に、参考までに、発音をマスターしたい方のために、私イチ押しのおすすめ書籍を紹介したいと思います。
去年発売されたばかりですが、すでに話題の本です。発音の基礎からリンキング(リエゾン)までを丁寧に網羅しています。超オススメです。
かなり有名な本です。単語の発音の重要性を再認識させてくれる良本です。発音を一から学びたい方にはおすすめです。
私も初版から愛用している洋書です。アメリカ英語の発音を徹底的に解説しています。非常に良本です。