発音上達への近道

発音最大のコツ!英語リンキング・リエゾンの法則は3つ【保存版】

発音が苦手な人
「英語の発音がうまくならないなあ。どうしても文を読むとブツブツ途切れてお世辞にも滑らかなとは言えない... 何か読むときのコツや方法はありますか?」

こういった疑問に答えます。

英語のリンキングってなに?


英語の文を発音するときは、繋がるべき単語をなめらかに繋げて発音する必要があります。必ず単語同士を繋げて、くっつけて発音しないと通じる英語になりません。

僕が独学をスタートした中学1年の頃、ラジオ講座「基礎英語」を聞き始めて一番びっくりというか衝撃的だったのは、このリンキングです。

当時はもちろん「リンキング」などという言葉も、ましてやそんなルールがある事すらも知りません。聞こえてくるアメリカ人講師のお手本をリピートしていると、頻繁に聞き慣れない音に遭遇し、なかなか真似出来なかったことを今でもハッキリ覚えています。こんな単語たちでした。

weekend
in an hour
I go to school
Come in.
That's a good idea.

一見すると何でもない簡単そうな英語に見えますが、これが当時の僕には激ムズで、なかなか真似できず何度も何度もリピートしていました。今なら分かりますが、原因はリンキングやT音の変化です。

リンキングを知らないと最悪ネイティブに通じない発音になるので、ここに気づくかどうかが最大のポイントです。

例えば、weekendは、weekとendが合体した単語ですね。だから必ず音も合体しないといけないんです。

つまり、week(ウィーク)+ end(エンド)と分けて発音するのではなく、

weekend(ウィーケンド)

と繋げます。これが「リンキング」という現象です。

日本人はどうしてもカタカナ読みのせいで、この「つなぎ目」の部分を気にせずに、繋がないで発音してしまいます。これが通じなくなる最大の原因。

もしネイティブの前で「ウィークエンド」と発音してしまうと、ネイティブは恐らく "We quin" のような意味不明の言葉か文?に聞こえるはずです。少なくとも weekend には全く聞こえなくなります。

英語を話すときは、単語ひとつでも、文全体でも、今その瞬間に読んでいる単語だけでなく、必ず次の単語(後ろの単語)も同時に意識しながら発音しないといけません。次の単語に正しく繋げて読んでいるかどうかが、英語らしい発音の最も重要な要素なんです。

「1個1個の単語を読むので精一杯だよ」という気持ちもわかりますが(僕も経験済みなので)、それだけでは上達はしません。「これとこれを繋いだらどうなるのかな?」といつも疑問を持ちながら、単語単位ではなく、いくつかの「音のかたまり」として練習することが重要です。

まだ慣れないうちは、リピート練習時に「え?いまの何?」と面食らうこともあると思います。でも、1個ずつ、1文ずつ、丁寧に意識しながら練習を継続することで、必ず上達します。遠回りのようで、これこそが上達への近道、王道です。

発音最大のコツ!英語リンキングの法則は3つ!


このリンキングの練習を毎日最低3ヵ月はしっかりやりましょう。1日5分でもいいです。3ヵ月で必ず自分の中に変化が現れます。そしていろいろな文が、少しずつ理想の読み方に、ネイティブのように滑らかにつなげて言えるようになります。

繋ぐルールやパターンがいくつかあるので、とにかくまずは練習してみましょう。次第に必ずコツが掴めるようになりますよ。

英語のリンキングには、3つの大きな特徴があります。

リンキング3つの法則

  1. 法則その1「つながる」
    例 Come in.
  2. 法則その2「消える」
    例 What color?
  3. 法則その3「合わさる」
    例 Did you?

順番に詳しく解説しますね。

法則その1「つながる」

日本人が一番苦手なのはこれです。単語同士をつなげるとき、「Come in」のように、前の単語の語尾が子音で、なおかつ、後ろの語頭が母音の組み合わせが最も練習すべきパターンです。

このつながりに慣れてくると、英語が楽に聞き取れるようになります。そして楽に話せるようになります。

「子音+母音」の組み合わせの中でも、特に日本人が苦手なものから練習してみましょう。

(1)「N+母音」の場合

one, ten などのように、語尾の発音がNで終わるときは、日本人はどうしても「ン」の感覚で、舌を上あごに付けないで(舌を浮かせたまま)発音する習性がありますよね。英語のNはあくまでも舌を上あごに付ける発音です。語尾でも必ず付けます。何度も練習して舌を上に付ける癖をつけるようにしましょう。

I'm on a diet.
「on_a」の部分が重要。「n + a」がつながる。いわば「ナ行」が1か所ある。

I'll be done in an hour.
done_in
in_an
an_hour
この3か所すべて「N+母音」の組み合わせなので、いわば「ナ行」が3か所。

one eight
nine oh two
Is there someone in your house?
Everyone is here.
Hit the one in the middle.
I'll take the one on the left.
He's smarter than anyone I know.
I'll join the one at 9.
She loves me more than anyone else in the world.

「Nのリンキング」については、こちらの記事に詳しく載せています↓

「One in Ten」を正しく発音できますか?【Nのリンキング30選】英語の発音練習の中で、絶対に欠かせないのが「Nのリンキング」です。 例えば、「one in ten」を発音してみると、それがいかに...

(2)「R+母音」の場合

例えば、remember + ing = remembering の発音の際に、語尾 -ring のR音はハッキリと発音されますね。この現象は単語間のリンキングでも起こります。

I can hear it.
「hear_it」が「R+母音」になっているので「hear rit」のように発音する。

I took care of it.
「care_of」ここも「R+母音」になっているので「care ruv」のように繋げる。

You're on your own.
You're_on
your_own
この2か所が「R+母音」なので繋げる。

(3)「T+母音」の場合

Get up のように、語尾がTで、かつ、後ろが母音という繋がりのときは、T音が軽く弾くような音に変化します。まるで日本語の「ラ行」のような発音です。
※厳密に言うと、T音が母音で挟まれている時です。

このT音の変化は下記の記事に詳しくまとめています。ぜひお読みください↓

ネイティブ発音に近づく!T音の変化Soft Dを掴む3つの法則 発音で悩む人 「発音練習しているけど、どうしてもネイティブのように発音が真似できないなあ。何が原因なのか。上達するコツやル...

その他の例文

It's a walk in the park.
I'm stuck in the train.
I want my name on it.

法則その2「消える」

Good job の「d_j」の繋がりのような、「子音+子音」を繋げるコツは、前の子音をほとんど発音しないことです。ほとんど「消える」感じです。

Good job.
Good morning.
What car?
What music?
I've been busy lately.
See you at the station.
All right.
I have it just the way I want it.

また、上記のパターンよりもさらにハッキリと「消える」パターンも2つあります。
それぞれ別の記事で詳しく解説していますので是非お読みください。

Hが消える

He His Him Her の [h] 音は文中では常に消える【リンキング】英語でリダクションが起こる代表的な例は、him, her などの代名詞で [h] の音が削れる現象です。...

Tが消える

Importantは発音できますか?Nの前後はTが消える【Tのリダクション】正しいお手本で正しい練習をしていくと、徐々に発音のコツを掴んでいくと思います。気付くと練習していない単語も、同じ規則で自然と正しく発音出来るようになっているはずです。...

法則その3「合わさる」

次の4つのYが絡んだ組み合わせのときに、音が変化します。

  1. T + Y = CH
  2. D + Y = J
  3. S + Y = SH
  4. Z + Y = ZH

具体的に見ていきましょう。

1)T + Y = CH

この組み合わせだけは、T音が消えることもあります。例えば、what you は「ワチュー」でも「ワユー」でも、どちらでもOKです。

I want you over here.
Is that what you want?

2)D + Y = J

「ジャ・ジュ・ジョ」のような音に変化します。舌を上あごにしっかり付けて発音しましょう

Did you do it yourself?
He showed you.
He said you did it.

3)S + Y = SH

「シャ・シュ・ショ」のような音に変化します。これは比較的かんたんですね。

Is this your bag?
He thinks you went there.

4)Z + Y = ZH

「ジャ・ジュ・ジョ」のような音に変化します。ただし、舌を上あごに付けないで発音します。この発音は難しいはずなので、丁寧に練習してください。

He shows you.
He says you did it.

その他の例文

Eat your dinner.
I bought you some food.
I followed you.
Did you find your phone?
Is this your idea of a good time?
Bless you.
Does your mom know about tomorrow night?
It was your idea!
He knows what you did last summer.

前置詞・代名詞・接続詞のリンキング


前置詞・代名詞・接続詞については、基本的にどの単語も小さく素早く弱く発音します。ただし、onだけは例外です。onはいつでもハッキリとした母音で発音します。

前置詞・代名詞・接続詞の例文

Get out of here.
He died at the end of the movie.
I love you from the bottom of my heart.
Let's keep in touch.
This is a once-in-a-lifetime opportunity.
I still have a long ways to go.
I'm so happy to be stuck with you.
We could be stuck in this place for days.
Show me how to do it.
I'm standing right in front of Wendy's.
We're sending you Back to the Future!
Welcome to Tokyo Disney Sea!

過去形 ed のリンキング


過去形edの発音は3種類あるので、後ろの単語との繋がりが非常に重要です。
まずは、しっかりと3種類の発音の区別ができるように、こちらの記事で練習してみてください。

過去形 -ed は発音3種類!区別の仕方と効果的な例文13選【保存版】 過去形が苦手な人 「過去形の発音がうまく出来ないなあ。baked みたいに "ed"を見ると何でもかんでも ド と発音して...

あとがき

リンキング(またはリエゾンともいう)は、残念ながらすぐには身に付きません。おおよそ全体像がつかめるようになるには、最低でも3ヵ月~1年はかかると思ってください。

でも、毎日積み重ねる努力は、決して嘘をつきません。必ず「言えた!」「聞き取れた!」という成果となって表れてきます。

今回解説した内容に加えて、下記の記事も発音を総合的にまとめていますので、ぜひ合わせてトレーニングに活用してください。

英語発音のコツを徹底解説!ネイティブ発音完全マップ【保存版】 英語の発音が上手くなりたい人 「英語の発音はどうすれば上達するのか知りたい。発音の何をどれだけやればいいんだろう。いったい...

そして、スピーキングやリスニングの力が付いたかどうか、映画やドラマなどの生の英語で、自身の上達を確認することも欠かさず行ないましょう。
そのサイクルを日々回すことで、必ず英語上達の道が開けてきますよ。

なお、こちらの記事で私のおすすめの洋画やドラマをご紹介していますので、よろしければご覧ください。

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