文法の盲点 PR

「あの時あそこにいたら、私は死んでいた」過去の仮定の話を表現する

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日本人の苦手な文法として真っ先に上がるのは「仮定法」ですね。仮定法にはいくつかありますが、中でも最も手ごわいのが「仮定法過去完了」と言われる時制です。

今日は would have done/could have done の形を会話でどのように使うのか解説していきます。

過去の仮の話はwould/could have done


例えば、次の文を英語で言えますか?

「あの時あそこにいたら、私は死んでいた」

日本語だとこのように見た目が過去なので、英語でもそのまま過去形を使うと勘違いしがちですが、過去形は実際にあった過去の事実になってしまい、意味が通じません。

I died if I were there when it happened.
※全く意味が通らない英語になってしまう

実際には起こっていない事を仮定で話すので、英語では「仮定法」を使います。
上の文の場合は、過去の話なので「仮定法過去完了」(the third conditional)の形を使います。

「あの時あそこにいたら、私は死んでいた」
⭕️ I would have died if I were there when it happened.
⭕️ I would have been dead if I were there when it happened.
 
※動詞die、形容詞be deadのどちらも同じ意味。
※仮定法の文中では、wasではなくすべてwereに統一(wasでもよい)。
※「あの時」→「それが起こった時」と考える。

実は、ifの後ろの文(if節)は、文法的に正確に言うと if I had been there となるのですが、ネイティブはどちらかといえば上記の言い方を使ってしまいます。より簡単な言い方だからです。

If節は、[if I had been there]または[if I were there]のどちらを使っても会話では問題ありませんが、仮定法の文で最も重要なのは前半の文(主節)のほうなので、I would have died の部分は絶対に間違えることは出来ません。

would have/could haveの発音のコツ


would haveやcould haveを発音する時は、ちょっとしたコツがいります。他の助動詞と合わせてここで練習しておきましょう。

通常の発音(haveを[əv]と発音する)

I would have done it.
I could have done it.
I should have done it.
I might have done it.
I must have done it.

速い発音(haveを[ə]と発音する)

I would have done it.
I could have done it.
I should have done it.
I might have done it.
I must have done it.

助動詞とhaveの繋がりに気を付けましょう。haveは[h]の音が完全に消えて、ofのような発音になります。早口になると[v]の音さえ消えて[a]だけになることもよくあります。

I would have done it
→ I would've done it
→ I would a done it
のようになるのがわかると思います。

決して、一つ一つ切り離して I_would_have_done_it のようにカタカナ読みにならないように、とっさに言えるようになるまで、何度も何度も発音練習はしておきましょう。

上の文の意味は以下の通りです。
I would have done it.
(もしその時~だったら)してただろう。してたよ。
I could have done it.
(もしその時~だったら)してただろう。してたよ。
I should have done it.
それをすればよかった。
I might have done it.
それをしたかもしれない。
I must have done it.
それをしたと思う。

あとがき

日本人が仮定法を難しく思うのは、日本語に仮定法という文法がないからです。

「彼は事故を起こした」

この文だけを見ると、「彼が事故を起こした」のは事実のように見えますが、次の2つの文で比較してみてください。

1) かなり飲んだ後に運転したため、彼は事故を起こした
2) あれ以上飲んでいたら、間違いなく、彼は事故を起こした

1)も2)も、後半は同じ言い方でも日本語は通じてしまいますね。でも、文全体を読んで初めて、1)が事実で、2)が仮定だとわかります。

このように、日本語には明確な「仮定法」という文法が存在しないために、英語の仮定法を難しく感じてしまうわけですね。なので、日本語から英語に訳す際には十分に気を付けなければなりません。

ちなみに、日本語には、現在形、過去形、未来形などというような「時制」の文法もないんですよ。あらためて言われると日本語って結構驚きですよね。

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