発音が通じない人
「母音の発音がうまく出来ないなあ。昨日もliveと言ったつもりなのにleaveだと勘違いされて会話が大変だった(-_-;) 何か発音の基準やルールはあるのかな。」
Contents
大半の日本人が苦手とする母音の中でも、特に「LiveとLeave」「SitとSeat」のようなペアの発音の違いをお話しします。
英語の発音をマスターするうえで、今日の内容は超重要です。ぜひ最後までお読みください。
英語学習は左脳だけではなく右脳にも刺激を!
英語の勉強をしていると、私たち日本人はどうしても知識先行型の(頭でっかちな)学習になりがちですよね。
例えば、必死に単語や表現を覚えたり、長文を読んだり、TOEICの問題を解いてみたり。どれも決して間違いではないのですが、語学習得で最も重要なのはバランスの取れた学習。
ちょうどスポーツや食生活と似ています。どちらかに偏ったやり方は、一部だけを伸ばすことはできても、他の部分がおろそかになり、結果として歪みを生むだけになります。
「伸び悩み」を感じる最大の原因が、まさにそのバランスの悪さなのです。
英語は文字だけの学習で左脳ばかりを使うのではなく、音や映像を取り入れながら同時に右脳にも刺激を与えてトレーニングすることが非常に重要です。
先週もレッスンをしていて強く感じたのですが、語学の基本中の基本である「発音」がまだまだ十分でないために、「文を正しく読む」という基本動作がうまくできていないために、咄嗟に文を口頭で作るSpeakingが結果として伸び悩んでしまう、という状況がかなりありました。
そこで今日は発音の基本をしっかりと押さえつつ、文の中でも正しい音で正しいリズムで言えるように、重要な発音のコツを掴んでほしいと思います。
ネイティブには「横」も「容子」も同じに聞こえるの?
おそらく大半の日本人が「長さの違い」を意識したと思います。
実は、英語の世界では長さの違いは存在しません。
急にそう言われても、すぐにはピンと来ないかと思うので、具体的な例で説明します。
日本語では、次のような「長さの違い」はもちろん当たり前ですよね。
「横、容子」
「日産、兄さん、二・三」
「音、夫、応答」
「コート、こと、孤島、口頭」
「勝った、肩」
「今度、近藤」
「小野、大野」
ところが、ネイティブにこれらを聞かせると、全くと言っていいほど区別できません。
英語の世界では、このような長さの違いというのは一切ないからなんです。
彼らは幼少期からずっと、母音の長さを意識していません。「ア」でも「アー」でも彼らには「a」にしか聞こえないんです。
つまり、「It's hot」のhotを、多少長く言おうが、短く言おうが、hotにしか聞こえないんです。生まれてこのかた単語の長さを意識したことがないからです。というわけで、日本人がliveと言ってもネイティブにはleaveと聞こえてしまうんです。
日本語を学習してまだ5年未満のネイティブだと、我々日本人がいくら「横」と言っても「容子」と言っても「YOKO」にしか聞こえず、なかなか区別出来ないということになります。
LiveとLeaveの発音はどう違うの?
まずは基本である発音記号で見ていきましょう([ ] の中が発音記号です)。
live [liv] - leave [liːv]
見た目では、[ː]があるかないか、だけですね。
実はこの[ː]は「伸ばす記号」、、ではありません。
実は[ː]の記号の意味は、「緊張母音にしてください」という意味。
口(口角)をキュッと(横に)引っ張ってください、という意味です。
反対に、liveは [ː] はないので、口の周りをリラックスさせ、口や頬の筋肉が緩い状態(弛緩母音)になります。
では、実際に発音練習してみましょう。
左の単語は口を緩く、右は口をキュッと左右に引っ張ってくださいね。
実際に練習してみて、お気付きになりましたか? 左右の単語の長さを比べてみてください。ほとんど長さの違いはないですね。長さの違いというよりも、全体の発音自体が全く異なりますね。左の単語は「イとエの中間」、右は「イを真っすぐ伸ばす音」のように意識すると上手に発音できるようになりますよ。
会話で注意すべき単語や例文
それでは、会話でよく使う単語や例文で練習しましょう。カタカナ発音にならないよう十分に気を付けてくださいね。
sit seat
fit feet
bit beat
sick seek
still steal
fill feel
slip sleep
※太字の[i]の発音に注意して練習しましょう。
Beat it.
(あっち行け!)
I don't know where he lives.
(彼の住所は知りません)
I'm wearing a Fitbit.
(Fitbitを身に付けています)
I can't sit up by myself.
(自分で起き上がれません)
I thought I was gonna be sick.
(吐くかと思った~)
These shoes don't fit me.
(この靴合わないよ)
I know how difficult this must be for you.
(さぞかし大変だろうと思いますが)
あとがき
日本語と英語の母音の数を比較すると、圧倒的に英語のほうが多いので、「アイウエオ」だけで間に合わせようとすると必ず無理が生じます。
英語の母音は13個ほどあるのに対し、日本語はたったの5個。子音も英語は日本語の倍以上あります。
英語の母音を攻略するためには、日本語と違うものから優先してマスターすることが肝心です。今回のliveとleave以外にも、その優先すべきものを以下の記事でお読みいただくことをおすすめします。
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