
It/Thatで悩む人
「ネイティブは『It/That』をいつもどう使い分けてるのかなあ。『それ/あれ』と学校でむかし習った気がするけど違うの?どう使い分けすればいいの?」
こういった疑問に答えます。
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本記事のテーマ
ItとThatの違いを正しく知ることで、とっさのひと言でも間違わないような英語力に一歩近づきます。大抵の日本人が「それ」を訳すときに「It」と考えがちですが、そうではないことが多いのです。
ネイティブのItとThatの使い分け

我々日本人は中学校の授業で「それ」=It、「あれ」=That と習いますが、実はこれがネイティブと大きくズレている感覚です。
必ずしもこの日本語の通りではないんです。むしろ、「それ」→ That の場合が多いんです。
今回は、このitとthatの違いを学んでいきましょう。
That's nice.
It's nice.
この2つはどのように使い分けるでしょう?どちらも「それはいいですね」と訳しそうになるかもしれませんが、実はちょっと違います。
実際のネイティブのItとThatの使い分けを、下記の例で見てみましょう。
A: I'm getting married next year.
 私来年結婚することになったの。
B: You are? That's nice. Congrats!
 え、そうなの?それは良かったわね!おめでとう!
A: That's nice. New phone?
 それいいね。新しいスマホ?
B: Yeah, it came out last week.
 そう。先週出たばっかりのやつだよ。
A: Hey, you need to come with me. It's urgent.
 ねえ、一緒に来てくれる?緊急の用事なの。
B: Oh, okay. What is it?
 うんわかった。何事なの?
A: It's nice to have people over. The more, the merrier.
 やっぱり人を家に呼ぶのはいいね。多ければ多いほど楽しい。
B: Yeah, it's a good change of pace. Let's have some fun!
 そうだよ、良い気分転換にもなるしね。さあ楽しもう!
いかがでしょうか?It/Thatの違いに気付きましたか?
ItとThatの使い分け
相手の言った事や持ってる物を直接指して「それ」
状況などを指しているとき(Itは大抵の場合「それ」と訳さない)
That's okay/It's okay はどう違う?【It/That例文厳選26】
特に、ネイティブがよく使う「That's okay/It's okay」の違いに注目して、見ていってください。
That →「それ」
下記の場合に that を使います。日本人はここでよく It を間違って使ってしまいます。例文で慣れておきましょう。
Thatを使う場合
- 相手がたった今言った事を指して「それ」
 - 相手がたった今した事を指して「それ」
 - 相手が目の前で持っている物を指して「それ」
 
 That's a good idea.
 (それはいい考えだね)
 That's okay.
 (大丈夫ですよ)※I'm sorry と謝罪された時の返事として。
 What's that?
 (それ何?)※相手が手に持っている物を指して。
 That's great.
 (それはいいね)※皮肉として悪いニュースに対しても言う。
 That would be nice.
 (それはいいと思うよ)※相手の提案などに対して。
 I didn't know that.
 (それは知らなかった)
 That's not what I said.
 (そうは言ってないわよ)
 Can you write that down for me?
 (それ書いてもらえる?)
 I get that a lot.
 (それ、よく言われるんですよ)※人からよく言われる事をまた言われた時。
 I was thinking that too.
 (私も今そう思ってた)
 How long is that gonna take?
 (それ、どれくらい時間かかりそうですか?)※相手が今していることを指して。
 Hey, I was gonna eat that.
 (ねえ、それ私食べようと思ってたのよ)
 I knew you'd say that.
 (絶対それを言うと思ってたよ!)
 Are you done with that?
 (それ終わった?)
「それ」が itでもthatでもない場合があります↓
It →「それ」とは訳さない
下記の場合は It を使います。例文で分かるかと思いますが、Itの場合は「それ」と訳していないことが多いのも特徴です。
Itを使う場合
- 会話の中で話題にしていること
 - 今の状況を漠然と表した it
 - It...to...構文
 
It's okay.
 (大丈夫だよ)※今の状況を指して慰めている
It's a piece of cake!
 (そんなの簡単だよ)
It's a walk in the park!
 (そんなの簡単だよ)
It's a 10-minute drive.
 (車で10分ですよ)
It's a 5-minute walk from here.
 (徒歩5分ですよ)
It's bad for your health to hold in a sneeze.
 (くしゃみを抑えるのは身体に良くない)
It's a good sign.
 (いい兆しだね)※今起こっている状況を漠然と指して。
It was nice talking to you.
 (お話しできて楽しかったです)
I bought a new bike, but it was stolen today.
 (新しい自転車を買ったが、今日盗まれた)
It might be a hassle, but can you do that for me?
 (面倒だと思うけど、お願いできるかな?)
I know it's very last-minute, but is there any way we can reschedule tomorrow's lesson?
 (ギリギリなのは重々承知なんですが、何とか明日のレッスン時間を変更できませんでしょうか?)
I have 5 children. It's madness and chaos every day.
 (5人も子供がいるから、毎日がもう滅茶苦茶だよ)
あとがき
ThatもItも、英語の会話では頻繁に使われます。今回は、That's__やIt's__のように主語として使う時の区別を解説しました。
意外とふだん使う「それは~だね!」の表現には、That's__を使うということがわかっていただけたと思います。
											