Getを使いこなしたい人
「ネイティブがGetをよく使っているけど、意味がわからないことが多い。そんなにGetのイディオムって多いの?よく使うイディオムなどあれば教えてくださいな。」
こういったご要望に応えます。
Contents
- 1 覚えておきたいGet慣用表現10選
- 1.1 I didn't get to say good-bye. →「お別れを言うことが出来なかった」
- 1.2 I didn't get around to it. →「そこまで手が回らなかったよ」
- 1.3 I get that a lot. →「それ、よく言われるんですよ」
- 1.4 He gets off on criticizing people. →「彼は人を批判して気持ちよくなってるんだよ」
- 1.5 I'm gonna have to get back to you on that. →「それについては、後日またお返事させていただきます」
- 1.6 You should get rid of that habit. →「その習慣はやめたほうがいいよ」
- 1.7 Get out of here. →「よしてくれ。勘弁してくれ。」
- 1.8 Crying won't get you anywhere. →「泣いたってどうしようもないよ」
- 1.9 Get it out of your system. →「忘れてスッキリしなさいよ」
- 1.10 Do you get the picture? →「わかった?」
- 2 基本動詞を学ぶためのおすすめ本2冊
- 3 あとがき
覚えておきたいGet慣用表現10選
会話でよく使われる慣用表現を、かなり時間をかけてじっくりと選び、10個だけ厳選しました。文字通りではわかりにくい表現ばかりです。Getの感覚を表現の中から少しでも吸収しましょう。
- I didn't get to say good-bye.
- I didn't get around to it.
- I get that a lot.
- He gets off on criticizing people.
- I'm gonna have to get back to you on that.
- You should get rid of that habit.
- Get out of here.
- Crying won't get you anywhere.
- Get it out of your system.
- Do you get the picture?
それでは順番に解説しますね。
I didn't get to say good-bye.
→「お別れを言うことが出来なかった」
get to do something
→「~をする機会を得る、~することにありつく、~できる」
get (the opportunity) to do something の省略された形です。助動詞 can 「~できる」と混同されやすいですが、can は能力の可否であるのに対して、get to do は「機会の有無」の意味なので注意しましょう。I couldn't say good-bye. と言うと「別れを言うチャンスはあったが、悲しくてサヨナラの言葉が出なかった」のような意味になってしまいます。
詳しい解説と例文はこちらの記事をどうぞ。
I didn't get around to it.
→「そこまで手が回らなかったよ」
get around to 名詞
→「~する時間を見つける、やっとのことで~する」
大抵の場合は否定文で使う表現です。「やろうと思っていたこと、前から計画していたことが、残念ながら時間がなくて出来なかった」と言いたいときの表現。
I wanted to see the movie, but I never got around to it.
(その映画を観たかったが、時間がなくて見れなかった。)
I check out courses, websites and somehow never get around to actually starting.
(いつもどんなコースがあるかを確認して、サイトもチェックするんだけど、結局始めるまでには至らないのよね)
What have you always wanted to do in Japan but never got around to?
(日本でずっとしたかったことで、まだ出来ていないことって何ですか?)
It's just one of those things on the back burner that you get around to eventually.
(結局最後まで後回しにするような事ってよくあるじゃないですか、それのことですよ)
I get that a lot.
→「それ、よく言われるんですよ」
これはもう決まり文句のような表現です。この get は自分から進んでGetする意味ではなく、向こうからやって来たものを「受け取る」意味のGetです。「それをいつも頻繁に受けてます」→「それをいつもよく言われます」の意味です。他にも次のような文で同じ意味になります。
People say that a lot.
People always tell me that.
People always give me that.
He gets off on criticizing people.
→「彼は人を批判して気持ちよくなってるんだよ」
get off on ...
→「~に快感を覚える、興奮する、ハイになる、夢中になる、」
どんなことに対しても使えますが、たいていはあまり良くないことを指していいます。
I get off on seeing a falling star.
(転落するスターを見るのが快感なんだよね)
My husband loves power. He gets off on it.
(夫は権力の亡者なんです。権力が欲しくてたまらないんですよ)
I'm gonna have to get back to you on that.
→「それについては、後日またお返事させていただきます」
get back to someone
→「人に返事をする、連絡をする」
get back to you の直訳は「あなたのところに戻ってくる」ですが、「あとでまた連絡する」の意味で頻繁に使われます。その場で即答できかねるような場合に使うとピッタリですよ。
Let me get back to you on that.
(また後日お返事させてください)
I left my name and phone number so they could get back to me.
(連絡してもらえるように、名前と電話番号を教えてきました)
I'll see what I can do and get back to you.
(何とか検討してみます。またご連絡しますよ)
You should get rid of that habit.
→「その習慣はやめたほうがいいよ」
get rid of ...
→「~を取り除く、排除する、なくす、捨てる」
類義語で remove, throw away/out, dump, lose などがありますが、会話ではこの get rid of を使うほうが自然です。
We'll have to get rid of some of our stuff.
(少しは物を整理しないとだなあ)
North Korea would never get rid of their nuclear weapons.
(北朝鮮は決して核兵器を手放さないだろう)
Are you trying to get rid of me?
(私を追い払いたいわけ?)
I can't get rid of this cough.
(この咳、どうしても止まらない)
He opened the windows to get rid of the smoke smell.
(タバコのにおいを消すために、彼は窓を開けた)
Get out of here.
→「よしてくれ。勘弁してくれ。」
相手が何かくだらないことを言ったり、信じられないことを言ったりしたときに、返す言葉です。他にもいくつか同じ意味のフレーズがあります。
Get out of town.
Give me a break.
Oh, please.
Crying won't get you anywhere.
→「泣いたってどうしようもないよ」
not get you anywhere または get you nowhere
→「~をしても成果は出ない、どこにも辿り着かない、しょうがない、意味がない、無駄だ」
たいていは、主語に動名詞を使って表現します。ちなみに、get you anywhere の代わりに help を使っても同じ意味になりますよ。
Discussing this won't get us anywhere.
(この件で話し合ったって、結論は出ないよ)
You won't get anywhere unless you try.
(やってみなければ何も始まらない)
Calling him won't help.
(彼に電話したって、無駄だよ)
Get it out of your system.
→「忘れてスッキリしなさいよ」
get ... out of your system
→「(頭から)不安、心配事、悩み、衝動、強い願望を取り去る、排除する、忘れる」
one's system で「身体全体」を指しています。英語では、身体の中の臓器などをイメージしているときは、your body ではなく your system ということが多いので覚えておきましょう。また、文字通りの意味で「身体から~を抜く、取り除く」としても使われます。
I need to get some of the alcohol out of my system before I can even think about another party.
(次のパーティを考える前に、まずはこのアルコールを身体から抜かないとだよ)
All this overeating is not good for your system.
(こんなに食べ過ぎて、身体に良くないわよ)
Let the kids run around a little longer. Maybe they'll get it out of their system.
(もう少し子供たちを遊ばせておいたら?そのうち飽きるわよ)
I was really angry, so I went for a run to get it out of my system.
(非常に腹が立っていたので、ひとっ走りして頭を冷やしてきたよ)
He's been talking about skydiving for so long. I'm just glad he's finally gonna get it out of his system.
(うちの人、もうだいぶ前からスカイダイビングしたいってずっと言ってきたんだけど、ようやくやる気が失せてきたみたいでホッとしたわ)
You should tell him how pissed you are. That should get it out of your system.
(怒ってるって彼に言ったほうがいいよ。そうすれば少しは気持ちが収まるはずだから。)
When I was in middle school I was obsessed with the Japanese band SMAP, but by the time I left school I had got it out of my system.
(中学生のときにSMAPにドハマりしていたが、卒業する頃には全然その気持ちがなくなっていた)
Yelling is a good way of getting stress out of your system.
(大きい声で叫ぶのは、ストレス発散にとてもいい方法だよ)
Maybe drawing it will get it out of your system.
(絵に描いてみれば、少しはスッキリするんじゃないかな)
Do you get the picture?
→「わかった?」
get the picture
→「状況、場の空気、話の全体像を理解する」
日本語でも「話が見えた?」ということがありますね。頭の中に絵を描けている、話を把握している、という意味の「理解する」というニュアンスです。
Get the picture?
(わかった?)※pictureの代わりにpointでもOK
I'm starting to get the picture.
(状況がわかりかけてきました)
I get the picture. I'm not gonna talk about it again.
(わかったよ。もうこの話はしないよ)
How long do you think it will be before he gets the picture that I want him to go away!
(どっかに行って!っていう私の気持ちを、彼が理解するのはいつになるのかしら)
You don't get a good score, we can do something about it. Get the picture?
(テストの点数が良くなくても、こちらで対処しますね。意味はお分かりですね?)
基本動詞を学ぶためのおすすめ本2冊
英語学習において、Getなど基本動詞の習得は絶対に欠かせません。その日々の学習にうってつけの2冊をご紹介します。
Getなどの重要動詞を学ぶおすすめの本はこれです
初心者~中級者の方は絶対に読んでおくべき1冊。基本動詞の使い方を、ネイティブの視点からわかりやすく解説しています。文だけではなくイラストでも説明しているので、読んでいて全く飽きないはずですよ。特に、前置詞もイメージで学べます。一石二鳥の1冊。
ネイティブの感覚がわかる句動詞おすすめ本
最近発売されたばかりの本ですが、内容がとてもわかりやすく、特に句動詞をイラストで解説している点がおすすめ。句動詞はイメージがとても重要です。
あとがき
いかがでしたか?
「Get」という動詞は、とんでもなく頻繁に会話で使われます。すべての動詞の中で、ダントツで頻度が高い動詞です。使い方も様々です。
今回ご紹介したGetの表現は、特に会話でよく出てくるものばかりですが、なかでも下の3つが重要。
- I didn’t get to say good-bye.
- I didn’t get around to it.
- You should get rid of that habit.
今回ご紹介した10個を覚えるのはキツイなあ、という方は、まずはこの3つをしっかりと覚えて使えるようにしておきましょう。
なお、Getの基本的な使い方については、こちらの記事で詳しく載せています。