何かのボタンやスイッチ、キーボードのキーなどを「押す」は、英語で press, push でもいいのですが、口語で "hit" をよく使います。「たたく」のイメージですね。日本語でも「Enterキーをたたく」と時々言いますね。ということで、「電気つけて。」は英語では
Turn on the lights.
Hit the lights.
のように表現します。では、例えば、ボタンやキーが複数あって、「真ん中のやつを押して。」と言いたい時、英語では何と言うでしょうか?
Hitの使い方
真ん中= middle (center ではありません!)を使って、
Hit the one in the middle.
と表現します。この際に、発音に気を付けましょう。リエゾンを見抜けますか? one_in の箇所が繋がっていないとダメですよ。まずは自分なりに何回か発音してみてください。そのあとに、下の答えを聞きましょう。
いかがでしたか? 答えの音声のように発音できていましたか?
この表現は、いろいろな場面で使うことができます。例えば、昔の映画で「Rocky IV」のワンシーンなのですが、試合中に、ロッキーが劣勢に立たされている場面で、ロッキーはあまりの激しいパンチを食らったせいで、「奴が3人に見える」と言います。それを聞いたセコンドが「真ん中を狙え!」と助言します。実際の映像をご覧ください。
Duke: What's happening out there? 一体どうしたんだ?
Rocky: He's winning. I see three of him out there. 彼に負けそうだ。奴が3人に見える。
Paulie: Hit the one in the middle. 真ん中を狙え。
Duke: Right! Hit the one in the middle! そうだ!真ん中を狙え!
いかがでしょう? もうハッキリと聞き取れますね。
もし、あなたがまだリエゾンが苦手で、one in のところを「ワンイン」と発音してしまうと、ネイティブにはどう聞こえると思いますか?「ワンイン、ワンイン・・・」と何回も速く言ってみてください。"wine" になってしまいますね。数字の one にはとても聞こえません。リエゾンは、このように非常に大事な練習方法なのです。
では、他の例で、特に「Nのリエゾン」をもっと練習してみましょう。
one of us
one eight
one in eight
one in five
on and off
in and out
Nのリエゾンの例文
- It didn't rain on us.
雨に降られなかったよ。 - Is there anyone you can call?
誰か連絡できる人はいますか? - No one is here.
ここには誰もいない。 - Everyone is here.
皆いるね。 - My son is sick.
息子が具合が悪いんです。 - Hit the one on the left.
左のやつを押して。 - Hit the one in the middle.
真ん中を狙え - Hit the one on the right.
右のやつを押して。 - What about the one on the 5th.
5日の分はどうするの? - I'll join the one at 9.
9時のに参加するよ。 - He's stupider than anyone I know.
彼は他の誰よりも愚かだ。 - He has more money than anyone else.
彼は他の誰よりもお金を持ってる。 - I know you more than anyone in the office.
私はこのオフィスの誰よりも君のことを知っているつもりだ。 - I woke up at one in the morning.
午前1時に起きたよ。 - There's one in Shinjuku.
新宿に1軒あるよ。 - You're on your own.
お前はもうひとりなんだからね。 - I'm on my own.
私はひとりです(一人暮らし、一人の客、等) - You make mistakes when you're in your 20's.
20代の頃は誰でも過ちを犯すものだよ。 - Is that the one in your room?
それが君の部屋にあるやつ? - Can anyone hear me?
誰か、聞こえますか? - It's on the corner of Main and Third.
メイン通りと3番通りの角です。 - She's my one and only.
彼女は私のかけがえのない人です。
あとがき
「単語の語尾がN」の次に「母音で始まる単語」が続くときは、特にリエゾン(つながり)を意識する習慣をつけるといいですよ。
半年~1年である程度まで慣れるはずです。その頃に徐々に英文を読むことが楽になっていくでしょう。