なぜwouldなのか訳が分からない人
「仮定法は大体はわかった気がするけど、Why would I lie?(どうして私が嘘を付くのよ!)はどうしてwouldなの?? Why do I lie? じゃダメ? wouldじゃなきゃダメな理由はなに? わかんないよ・・・」
こういった疑問に答えます。
Why would I lie? →would を使う理由とは?【現実と仮の区別】
いきなり最初から「仮定法のwould」を考えようとするとつまづくので、まずはかんたんな現在形から順を追って見ていくと、スムーズに理解できると思います。
次の文をみてください。
Why do you like fishing? → どうして釣りが好きなの?
難しくはないですよね。次はどうでしょう?
Why do you work out? → どうして筋トレが好きなの?
これも work out の意味を知っていれば大丈夫ですね。
ここで気付いて欲しい点があります。
・釣りが好き
・筋トレをしている
2つとも共通しているのは「事実」です。相手が「釣り好き」で「筋トレ好き」だということは事実ですね。英語で事実を話題にする場合は、必ず「現在形」で表現します。だから do を使っているわけですね。
では、今度は逆に、日本語を英語にしてみましょう。
【状況】自分は嘘を付いていないのに、相手から「あなた嘘を付いてない?」などと疑われた。
「嘘を付いている」というのは「事実」ではありません。事実ではないので「現在形」は使えません(現在形で言った場合、事実として認めたことになってしまいます)。
そこでいよいよ、仮定法 would の出番です。
どうして私が嘘を付くの? → Why would I lie to you?
Why疑問文なので、一見すると理由を聞いている普通の疑問文に見えますが、実はそうではありません。助動詞 would を使っているところがポイント。
「なんで私が嘘なんかつくのよ!(嘘をつくわけがないでしょう!)」
と、驚いて反論するときの文なんです。現実ではないこと、現実では考えられないこと、などを言われたり、目の当たりにしたときは、誰でも驚きますね。その気持ちこそが、仮定法wouldを使う感覚です。
細かく噛み砕いて訳すと
「私が嘘をついてるですって?? どうしてよ! もし私が嘘をついてるって言うなら、理由を言ってみなさいよ! 仮に嘘をついてるとしたら、どういう理由で私が嘘をついてるというのよ!」
仮のニュアンスを出して、言い返している気持ちです。→だから、would なんです。Why...? で聞いていますが、実際は答えを求めているわけではありませんね。ただただ反論しているだけの文です。
このような疑問文を、答えを求めていない疑問文、いわゆる修辞疑問文(rhetorical questions)といいます。日本語ではあまり「修辞疑問文」という文法用語を日常生活で使わないのですが、英語圏では結構 rhetorical question という言葉を使います。こういう「答えを求めていないWH疑問文」は、英語ではかなりの頻度で使われます。
現在形 Why do I lie? との大きな違いとは?
では、現在形の Why do I lie? と表現した場合は、どういう意味になるでしょう?
現在形と仮定法の区別を、もう一度ハッキリさせておきましょう。
Why would I lie? (なんで私が嘘をつくのよ!)となるように、嘘が事実ではない、仮にもどんな理由で嘘をつくのよ!というニュアンスを出したいので仮定法 would を使う、という説明をしましたね。
それに対し、現在形の疑問文は、普通に事実の理由を聞く質問です。中学1年の基本の文法を思い出しましょう。そもそも現在形を使う場面は「普段の習慣」を言うときですね。なので「現在形=ふだん形」のように頭に覚えておきましょう。訳すときも、現在形の文は必ず「ふだん、いつも」の言葉を補って訳すようにすると、間違わなくなります。
Why do I lie?
現在形を使っているということは、嘘を付いていることは事実なので、
Why do I lie? → どうして私はいつも嘘を付いてしまうんだろう?
のように独り言のセリフになります。
まとめ
いかがでしたか。doとwouldの使い分けを少しでも理解していただけたら幸いです。
ネイティブはこのwouldを会話で頻繁に使っています。日本語でも会話中に相手の言葉に驚いて、感情を込めて聞き返したり、反論したりすることはよくありますよね。
「あり得ない!」
「うそでしょ?」
「それは違うよ!」
このような感情になったときが、現実ではない「仮の話」をする瞬間なので、普段の生活の中でもいろいろとシチュエーションを探し当ててみるといい練習になりますよ。
最後に、仮定法については、下記の記事も参考になると思いますのでぜひご覧ください。
仮定法 would をさらに学ぶにはこちら