知っておきたい文化の違い

「消費税」って英語で何て言うの?国によっても違う名称と仕組み

世界事情に関心がある人
「今月からついに消費税が10%に上がったけど、消費税は英語で何て言うのかなあ。そもそも世界では消費税ってどうなってるの?もしかして消費税がない国もあったりするの?」

こういった疑問に答えます。

英語で「消費税」は何というのでしょうか?アメリカでは消費税はどんな仕組みなんでしょう?イギリスやフランスや中国は?

ということで、今回は世界の消費税事情やその名称などについて触れたいと思います。ネイティブと税制度について会話で話題になったときに役に立つような表現もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

世界の消費税はどうなってるの?


日本では、平成元年(1989年)4月1日に初めて消費税が導入されましたが、3%で最初に導入された時に「えー、ナニコレ~!高~い!」と驚いたことが今では懐かしい思い出です。

あれからちょうど30年かけて、3%から徐々に10%に上がったわけですね。

では、世界の消費税はどうなっているんでしょう?

国税庁の資料から世界の消費税率を比較してみましょう。


※国税庁の資料より(2019年1月現在)

 
実は1989年に日本で採用されるずっと以前から、ヨーロッパ諸国では「付加価値税(VAT:Value Added Tax)」としてすでに導入されていました。現在も「付加価値税」は世界150以上の国や地域で採用されているようです。

ヨーロッパは20%など軒並み高い水準ですが、アジアでは5-10%などそれほど高くないことがわかります。

アメリカ合衆国の消費税事情


結論から言うと、アメリカでは消費税というものはありません。

その代わりになる位置づけとして、Sales Tax(売上税)というものがあり、消費者のみに税がかかります。

お気付きの方もいると思いますが、先ほどの表にはアメリカがなかったですね。実はアメリカは国として消費税を導入しておらず、州レベルでSales Taxを導入しています日本のように政府が税金を徴収するという仕組みでないということです。

しかも、アメリカではこの税をSales Tax(売上税)と呼びます。

消費税と売上税の大きな違いは、消費税は「卸売業者・小売業者・消費者」のすべてが課税されるのに対し、売上税(Sales Tax)は「消費者」のみ税金がかかるという点です。

しかも、Sales Taxの税率は州によってかなり差があります。

最も高い税率でCalifornia州の7.25%、その反対にSales Taxが全くないMontana州やOregon州などもあり、州によって様々です。

免税や減税(軽減税率)などは?


日本でも食料品や新聞などが「軽減税率」として8%に据え置かれましたが、世界のほとんどの国でも同様に軽減税率(reduced tax rate)があります。

アメリカでは物品によっては課税対象(taxable)の場合もありますが、大抵の州では食料品等(groceries)は免税(tax-exempt)もしくは減税です。下の図をご覧ください。

引用元: TaxJar

イギリスやフランスでも同様です。

イギリスの消費税(VAT)は20%なのですが、基本の食料品は0%、免税です。なので自炊すればかなり安くあげられます。

フランスは消費税の生みの親(1954年導入)ですが、現在の消費税(VAT)は20%です。ただし、食料品等の生活の日常品は5.5%(reduced rate)のようです。

お金や税金のことを英語で言ってみよう


「消費税」というのは日本のネーミングなので、日本のことを説明する時にはConsumption taxと言っても問題ないですが、英語圏ではConsumption taxとは言いません。

アメリカの人と話すときはsales tax、ヨーロッパの人にはVATと言うようにしましょう。

また、お金や税金の話題になったときのために、基本的な用語とフレーズを身につけておきましょう。

税金にまつわる表現

消費税 comsumption tax(日本)
売上税 sales tax(アメリカなど)
付加価値税 VAT(Value Added Tax)(イギリス、フランス、中国など)
軽減税率 the reduced (tax) rate
非課税の、免税の tax-exempt
課税対象の taxable
確定申告 tax return
年末調整 a year-end adjustment
還付金 tax refund
所得税 income tax
住民税 resident tax
関税 customs (tax)
消費者 comsumers

日本の消費税を説明してみよう

Like sales tax in the United States, Japan has consumption tax, which is now 10%.
アメリカの売上税のように、日本では消費税というものがあります。10%です。

They raised the consumption tax rate from 8% to 10% on October 1st, 2019.
2019年10月1日から消費税が8%から10%に上がった。

What's the sales tax rate in your state?
あなたの州では売上税は何パーセントなの?

Most groceries are taxed at a reduced rate, which is 8%.
大半の食料品は軽減税率が課税されます。8%です。

If you eat in a restaurant, 10% tax will be applied, but if you buy something to go, 8% will be applied.
レストランで外食したら10%の税金が適用されるけど、持ち帰りにすれば8%だよ。

Nothing is tax-exempt in Japan. Everything is taxable, even groceries and clothing.
日本では非課税のものはありません。すべて課税対象です。食料品や衣類までも。

アメリカ人がよく使う表現

Sales tax is only taken at the state level.
売上税は州レベルで課税される(国ではない)

It varies depending on the state you're in.
州によって違うよ

Most groceries are tax-exempt in my state.
大抵の食料品は非課税だよ。

「~によって違う」の表現はこちらの記事をどうぞ

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あとがき

いかがでしたか?

日本の消費税10%って高いなあ、と思ったら、意外と世界ではもっと高い税率のところが多いんですね。

アメリカ人から見れば日本の消費税は高く思われるかもしれませんが、ヨーロッパの人から見れば大したことないよ、と言われるかもですね。

世界との比較をすると、なんでも結構面白いです。