英語特有フレーズ

「折角だから・どうせなら」ネイティブがよく使う「might as well」

大きな夢がある人
「世界旅行に行くのが夢。世界中の有名な都市に行きたいな。そういえば、『夢はどうせなら大きい方がいい』は英語で何て言うんだろう?」

こういった疑問に答えます。

「どうせなら夢は大きい方がいい」はmight as wellを使う


折角だから、どうせなら、同じことなら」という気持ちを英語で表すには、「might as well」を使うとちょうどピッタリです。

例えば、自分の将来の夢として、「自家用ジェットに乗って世界中を旅行、都内に豪邸を建てる、不労所得を得て一生働かずに暮らす・・・」などの目標を持っているとします。

友人から「すごい大きな目標だね」と言われたので、「どうせなら夢は大きい方がいい」と言いたいときに、ネイティブなら英語でこう表します。

どうせなら夢は大きい方がいいでしょ?」

If you're gonna have a dream, might as well dream big, right?

※自分の事なのですが主語に「I」を使っていない点に注目。「普通は皆もそうだよね」という気持ちで「一般論」として言っているので、「You」を使います。英語の一般論は常にYouです。

※might as wellを使う場合は、だいたい主語Youは省略されます。

それでは、さらに深く「might as well」を見ていきましょう。「might as well」には先ほどの意味だけではなく、下記のように3つの意味があります。

僕も長年英語を勉強していますが、数あるネイティブ独特の表現の中でも、特にこの「might as well」は意味が掴みにくいので、なるべく多くの例文に接して、状況をイメージしながら学ぶといいです。

might as well「折角だから・どうせなら」


例えば、会社が日商簿記の受験費用は負担してくれるとしたら、「どうせなら受けようかな」と思いますね。

このように、せっかく必要な物がそろったり、望ましい状態になったりして好都合だから、しない手はないな、いやむしろした方がいいな、という場合や、ある事をする際にどうせならこうした方が得策だな、という場面で使います。

I'm gonna have some time off. so I might as well use it.
折角休みをもらえるんだから、それを使わない手はないよ。

I don't know when my next chance will be, so, I might as well.
次のチャンスがいつになるかわからないし、折角だから、やってみるよ。

You might as well call them "Earth Wars" instead of "Star Wars".
Star WarsというよりはEarth Warsと呼んだほうがいいくらいだね。

Since I'm turning 60 next year and they offer a good deal, might as well be prepared.
ちょうど来年60歳になるし、(墓石の)セールもやってるみたいだから、折角だから(墓石の)準備をしておこうかな。

A: You have a lot of cities lined up on your list.
 かなりたくさんの地名をリストアップしてるね。
B: Yeah, those are my list of where I wanna go. Well, if you're gonna have a dream, might as well dream big, right?
 そうよ。行きたい場所のリストなの。ほら、夢を持つんだったら、どうせなら大きい方がいいでしょ。

A: Hey, sorry I don't think I can make it home by dinner.
 ごめん、今夜は夕食の時間まで帰宅が間に合いそうにないよ。
B: Okay, well, if you're coming home late tonight, might as well start cooking right now.
 わかったわ。じゃ、帰りが遅いんだったら、(帰りを待っていないで)どうせならもう料理始めちゃおうかな。

A: Are you gonna work late tonight?
 今夜は遅くまでやっていくのかい?
B: I might as well. I have nothing else going on.
 折角だからね。他にやることもないし。

might as well「~みたいなものだ」


社員旅行など、ほとんどの費用が会社負担のような旅行は、厳密に言うとタダではないがタダも同然だ、のように、厳密に言うと同じではないけど「~みたいなものだ、~と大差はない、同然だ」のように主に、驚き、諦め、落胆、呆れた時などに使われます。

It's not free, but it might as well be free
ただじゃないけど、ただみたいなもんだよ

If the battery is dead, the flashlight might as well be a piece of garbage.
バッテリーが切れたら、このスマホはただの鉄の塊と同じだ

I might as well be talking to the wall
(君は何も反応しないから)僕は壁に向かって話をしてるようなものだよ

A: Doesn't it seem weird to you that she'd leave it on her system like this?
 あの彼女がこんな風に画面上にデータをそのまま残しておくのって、何か変じゃない?
B: It's so old-school it might just as well be saying "Please decode me"
 こんな古臭い手法の暗号を使ってるのって、まるで「解読してください」って言ってるようなものだわ。

A: How was your weekend? Did you go to that music festival?
 週末はどうだった?例のフェスには行ったの?
B: Oh, yeah. But the weather was so bad we might just as well have stayed at home.
 そうなんだよ。でも天気が悪すぎて、家にいた方がましだったよ。
A: No shit.
 マジで?

※この意味では、might just as well のように just が入ることがよくあります。

might as well「~するしかないな」


本心はやりたくはないが、状況から見てやるしかないな、という場面で使われます。

Since everyone left, I might as well go now.
皆帰ったから、僕もそろそろ帰ったほうがいいかな。

They're too loud. We might as well go someplace else.
ここはうるさいよ。どこか他の場所に行くしかないな

I'm all by myself so, might as well be working today.
自営業だから、今日も仕事してたほうがいいかなって。

We might as well just stick to our plan.
予定通りにするしかないね

Since nobody else wants the job, I might as well give it to him.
誰もこの仕事をしたくないみたいだから、彼に与えるしかないかな。

A: Oh, we just missed the last train!
 ありゃ、最終電車行っちゃったよ!
B: Well, we might as well walk home.
 そっか、じゃ歩いて帰るしかないか。

あとがき

この「might as well」は実に英語らしい表現だと思います。文字からは推測しづらい、微妙なニュアンスですよね。

でもこのフレーズはネイティブは結構会話で使っています。

英語的発想や感覚を磨くには、「日本語に訳す」のではなく、会話の中から「意味を感じ取る」ことが重要です。このフレーズも同様です。

あまり日本語訳に囚われずに、前後の流れの中で、状況をイメージしながら意味を「感じ取って」くださいね。