こんにちは、小野です。
「それ私も持ってるよ!」
相手の持っている物と同じ物を、自分も偶然持っていたときに、あなたなら英語で何と言いますか?
今回は、指示代名詞「それ、あれ、これ」を英語で表現するときの、日本人の盲点となる大事なルールをお話しします。
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「それ私も持ってるよ」は英語で?
I have it.
I have the same one.
これでももちろん通じることは通じますが、もう少しネイティブらしい、英語らしい表現は次のようになります。
I have one of those.
(それ私も持ってるよ)
どうしてこんな英語になるのでしょうか?
実は、英語の感覚では、
「私もそれを持っています。」
→ あなたが持っている物と同じ物をひとつ持っています。
→ それ(と同じ類の)をひとつ持っています。
→ I have one of those.
英語ではこういう発想になります。相手が持っている物(=それ)はもちろんそれ一つではなく、世の中に商品として同じ在庫が沢山ある中の「ひとつ」なので、複数形thoseを使ってone of those(それひとつ)と表現するわけですね。
では、「私もそれ欲しい!」は英語で何と言うでしょうか?
「私もそれ欲しい」→「私もそれ一つ欲しい」の意味ですね。
という英語になります。
「それ」の訳し方
- 相手の持っている「それ」を直接欲しいのか(I want that)
- 相手の持っている「それと同じ物をひとつ」欲しいのか(I want one of those)
「それ」を英語で言うときは、この2つの違いを常に意識しましょう。「それ・あれ = one of those」「これ = one of these」は様々な場面でよく使うフレーズなので、このまま覚えておくと便利です。
ちなみに、直接目の前の物を指して「それ、かわいいね」などと言うときの「それ」は、itではなくthatのほうを主に使います。以下のようなThatを使った例文をよく見かけますね。
What's that?
何それ?(何持ってるの?)
That's a good idea!
それはいい考えだね。
That's a nice bag.
それ可愛いかばんだね。
「それ」= It と思われがちですが、37年間英語をやってきた僕の感覚だと、Thatのほうが圧倒的に多いです。もちろんItを使う時も結構ありますが、「目の前の物事=That」と覚えておくといいですね。
「ItとThatの違い」はこちらの記事をどうぞ
「それ、これ、あれ」日本人が間違えやすい盲点
英語で「それ、これ、あれ」を表現するときは注意が必要です。単純に、it/that/thisを使えないからです。
では、いろいろな例で「それ、これ、あれ」を英語でどう表現するのか見ていきましょう。
「僕もそれ持ってるよ」
→ I have one of those.
「それ」=「それひとつ」の意味ですね。
「これ欲しいなあ」
→ I want one of these.
「これ」=「これひとつ」の意味ですね。
「俺もこれ欲しい!」
→ I've got to get me one of these!
「これ」=「これひとつ」の意味ですね。
この映画でも言ってますね↓(0:07付近)
これひとつ頂けますか?
→ Can I get one of these?
お店などでよく使うフレーズ。
それ2つ持ってるよ。
→ I have two of them.
「2以上」はthemを多用する傾向があります。
それはどこで売ってますか?
→ Where can I get one of those?
「それ」=「それひとつ」の意味ですね。
One of以外の表現
可算名詞のとき
- five of them それ5個
- some of them それ少し
- half of them それ半分
- most of them 大部分
- all of them それ全部
- none of them ひとつも~ない
- the rest of them 残り
- more of them それをもっと
不可算名詞のとき
- some of it それ少し
- half of it それ半分
- most of it 大部分
- all of it それ全部
- none of it ひとつも~ない
- what's left of it 残っている部分
- the rest of it 残り
- more of it それもっと
ちなみに、英語には「それ/あれ」の区別は特にありません。ただし「これ」はthis/theseです。自分の手元にあるものはthis/theseですが、相手の近くにあるものや、遠くにあるものは、すべてthat/thoseを使います。thoseの代わりにthemも使います。
目の前の物を直接指して「それ・あれ・これ」の場合
相手の持っている物を直接指して「それちょうだい」と言いたいときは、次のようになります。
I want that.
I want that one.
「1個ずつ」についてはこちら
あとがき
いかがでしたか?
「私もそれ持ってるよ」は I have that ではなく I have one of those と言うところがポイントです。
「それ」をitやthatにして I have itまたはI have thatと言ってしまうと、相手の物を直接指すことになるので、相手の物を自分の所有物だと主張している、という不自然な意味になります。
英語では、this/these、that/those、it/them の「単数/複数」の組み合わせを上手に使いこなせるかどうかが、流暢になるための重要なポイントです。