単語の正しい使い分け

All の意味は「すべて」よりも「だけ・しか」【AllとOnlyの違い】

こんにちは、小野です。

カタカナの影響もあり、日本人にとっては、All =「すべて、全部」のイメージがありますよね。

でも「だけ・しか」の意味も忘れてはいけません。

今回は、All =「だけ・しか」の使い方を簡単にご紹介していきます。

「All」の意味は「すべて」よりも「だけ・しか」


Allは「すべて・全部」の意味の場合もありますが、「すべて・全部」= everything のほうが圧倒的に頻繁に使われます。

例えば、「千円札持ってない?」と聞かれて、財布に1万円札しかないときに、日本語なら「ごめん、これしか持ってないよ」と言いますね。

英語ではこのような表現になります。

This is all I have.
(これしか持ってないよ)

直訳すると「これが私の持っているすべてです」となりますが、自然な日本語は「これしか持ってないよ」となりますね。

「だけ・しか」を単に訳すとonlyをイメージしてしまうと思いますが、「これで全部だ」というニュアンスの場合に「all」を使うわけです。

「しか」→「all」のイメトレ


「だけ、しか」は強調です。強調するためには、やはりallを使います。onlyではなくallを使いこなせるように、日本語を適切に英語に変換するトレーニングをしてみましょう。

ただ聞いただけじゃないか

All I did was ask.

「だけ」の部分を強調したいので、onlyではなくallを使います。I only asked you では強調されないため、上手くニュアンスが伝わらず不自然な英語になります。

私にはあなたしかいない

You're all I have.

「しか」を強調したいので、allです。仮にonlyを使うと I only have you という不自然な英語になり、うまく伝わりません。

これだけ(これさえ)あればいい

This is all I need.
That's all I need.

これだけ、これさえ、の「だけ・さえ」を強調しているので、allです。I only need this.も使えますが、allのほうが「これだけ」を強調しているので、より適切です。

これしか出来ないよ

This is all I can do.

出来ることはこれだけだ、これしか出来ない、と強調したいのでallです。I can only do this.は不自然な英語です。

それしか言えないなあ

That's all I can say.

「しか」を強調したいので、allのほうが自然です。I can only say that とは言いません。

そんなことしか考えられないの?

Is that all you ever think about?

everは省略可ですが、「いつなんどきでも」という意味なので、あった方がはるかに英語らしくなります。ここでも「しか」を強調して相手を責め立てているので、allがピッタリです。

「だけ・しか」= only の場合


「だけ・しか」をonlyで言う場合もあります。よく使うonlyの例文で感覚に慣れておきましょう。例文の数をこなせばこなすほど、allとonlyの違いが見えてくるはず。

「only」を使う場面というのは、主に「たくさんあると思ったが、たった〇個だった」のような時です。「たった」がポイントです。

「だけ・しか」

There's only one problem.
問題は一つだけだ。
Only Japanese people are allowed to enter.
日本人だけが入る事ができます。
This car is for women only.
この車両は女性専用です。
It's only a matter of time.
それは時間の問題だ。
I can only see two people.
2人しか見えません。
He only ate two of them.
彼は2つしか食べていない。

「まだ」

stillと間違えないよう注意。「たった」という意味なのでonlyです。stillは「いまだに~し続けている」の意味。

She's only 5.
彼女はまだ5歳だ。
He was only 18 when he got married.
彼は結婚した時まだ18歳だった。
It's only ten o'clock.
まだ10時だよ。

「単に、ただ」

この場合は、justにも置き換えられます。

It was only a joke.
冗談を言った(した)だけだよ。
I was only having fun.
ただ楽しんでただけじゃないか。

If only _

「~さえ~であれば」
何かを強く願う気持ちのときに言う決まり文句です。

If only he was here with us.
彼がここにいてくれたらなあ。
If only I had more time.
もっと時間があればなあ。
If only he'd call!
彼が電話してくれたらなあ!
If only I could speak English more fluently.
もっと流暢に英語が話せたらなあ。

The only thing is _

「ただ~なんだよね」
問題をひとつ付け加えて言及したい時に使う会話フレーズです。

You can come with me. The only thing is my dad will probably be there too.
一緒に来てもいいけど、ただ、お父さんがたぶんいると思う。
I would love to buy these, but the only thing is they're too small for me.
これを買いたいのはやまやまなんだけど、小さすぎるのよね。

あとがき

いかがでしたか?

Allは「だけ・しか」の意味で使うことが圧倒的に多い、ということをご紹介しました。

「すべて・全部」を英語で言いたいときは、大抵の場合、「everything」が使われます。

AllとEverythingの比較は下の記事で詳しく解説しています。

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