英語の構造が苦手な人
「英語で『彼は生まれつき金持ちだ』は何て言うのかなあ。生まれつきって英語は何だろう?それとも、何か特別な文の構造でもあるのかなあ。日本人が知らないルールなどあれば教えてくださいな。」
こういった疑問に答えます。
このルールを知っておくと、今後の英語学習の中で非常に役に立つはずです。黄金のルールと言ってもいいくらいの、英語ならではの構造なので、絶対に身に付けてくださいね。
「生まれつき~だ」は英語で何て言うの?
これを英語ではどう表現すればいいでしょうか?
英語には「生まれつき」という言葉はありません。「生まれつき~だ」は、ある特別な構造を使って表現します。
おそらく誰もが知っている、Lady Gagaのあの大ヒット曲 "Born this way" に次のような歌詞があります。
I'm on the right track, baby, I was born this way.
(私の進む道は間違ってない、そう、私は生まれつきこうだから。)
Lady Gaga- Born This Way
I was born this way.
日本語に訳すと、次のような感じです。
「私はこういうふうに生まれてきた」
「私はこうなるべくして生まれてきた」
「生まれつき~だ」と英語で言いたいときは、I was born ~の構造で言えばいいというのがわかりますね。
というわけで、「彼は生まれつき金持ちだ」を英語で表現するときは、
「彼は金持ちの状態で生まれてきた」という構造で考えます。
He was born +【状態を表す言葉】
→ He was born + 金持ちの状態
「金持ちだ」は形容詞richなので、それを文尾に付けるだけで完成。全体の構造は至ってシンプルですね。
ちなみに、「金持ちの男」でもOKです。
「生まれつき~だ」
I was born + 形容詞
I was born + a 名詞
「文+状態」で驚くほど表現の幅が広がる重要構造とは?
日本語で表現すると長い文でも、英語で表現すると意外に簡潔で短くなることがよくあります。例えば、
「彼は帰って来た時に具合が悪そうだった。」
という文を英語にしてみましょう。
He was sick when he came home.
大半の方は、このように2つの文をwhenでつなげて作ると思います。これはこれで間違いではないですが、実はもっと簡潔に短くできる、英語ならではの便利な構造があります。2つの文を1つに簡潔に言えるようになります。
「どういう状態で + 何をしたのか」この2つの情報を、英語では1つの文で表現します。
「彼は帰って来た時に具合が悪そうだった」
→「彼は家に帰って来た + 具合悪い状態で」
「具合悪い状態で」= sick なので、全体としてこうなります。
He came home sick.
(彼は帰って来た時に具合が悪そうだった)
たったこれだけでOK。こんなにシンプルになります。しかも、このほうがはるかに英語らしい表現です。
※ちなみに、He / came home / sick. のように見ると SVC にも見えますので、私はこれを「SVCの応用」と呼んでいます。
実際の映画でセリフを聞いてみよう
実際に、この構造の文を映画のセリフで聞いてみましょう。
(再生場所 1:00-1:24)
Jeniffer: Does your mom know about tomorrow night?
Marty: No. Get out of town. My mom thinks I'm going camping with the guys. Well, Jeniffer, my mother would freak out if she knew I was going up there with you. And I'd get the standard lecture about how she never did that kind of stuff when she was a kid. I mean, look, I think the woman was born a nun.
Jeniffer: She's just trying to keep you respectable.
Marty: She's not doing a very good job.
Jeniffer: Terrible.
【和訳】
お母さんは明日の夜のこと知ってるの?
よしてくれよ。お袋は俺が男友達とキャンプに行くと思ってるよ。だって、ジェニファー、もし君と行くってお袋に知れたら、大騒ぎするに決まってるよ。おまけに、自分が子供の頃そんな事は絶対にしなかった、とか説教をされるに決まってる。ほんとう、お袋は生まれつき修道女なんだよ、きっと。
お母さんはあなたを立派に育てたいのよ。
それは上手く行ってないかもね。
最悪ね。
あとがき
今回の記事は、必ず第1回のこちらの記事と合わせてご覧ください。
この構造を使いこなせるようになることが、スピーキング上達の近道です。ぜひ覚えておきましょう!