「早くしてよ!」「急いで!」
と相手を急かす言い方は、英語でどう言えばいいでしょうか? 今回は、「~してよ!」という表現を解説していきます。
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「早くして・急いで!」相手を急かす英語表現【使役動詞 Make】
相手に急いでもらいたい時に、日本語では「ねえ、急いでよ」「早くしてよ。」などと言いますが、英語はどう言えばいいでしょうか?
Hurry upという表現を思い浮かべる方も多いと思いますが、これは何かに遅刻しそうな時に、急いで出かけるよう急かすフレーズ。
相手が今していることを早く終わらせて!と急かす場合には、使役動詞 make を使います。
しかも、この使役動詞makeを形容詞と組み合わせて使う、というところがポイントです。
「早くして!」
→「(今はslowだから)それをfastにして!」
→ Make it fast.
→ Make it quick.
あらためて、日本語と英語の構造を見比べてください。
だいぶ構造が違いますね。
Make it fast は一見簡単そうにみえて、日本人には意外とすぐに出て来ない英語だと思います。それは日本語と構造がかなり違うからです。
こうした経験を積み重ねることで、脳の中で「ああ、こういう場合は、あのパターンだ!」とひらめく瞬間が少しずつ増えていきます。その試行錯誤の積み重ねが、うわべではない本当の英語力を身に付けていくことに繋がっていきます。
Makeの本来の意味と使い方
【構造1】He made me a sandwich.
(彼は私にサンドイッチを作ってくれた)
【構造2】He made me a star.
(彼は私をスターにしてくれた)
両方とも「me」のあとにそれぞれ名詞 a sandwich/a star が来てますね。でも構造は同じように見えても実は全く違います。
その見分け方は、makeの後ろの2つの関係性で決まります。
【構造1】me ≠ a sandwich
【構造2】me = a star
※構造1は、イコールの関係はあり得ないので、「make = 作る」の意味。
→ make A B=「AにBを作ってあげる」※Bは必ず名詞
※構造2は、イコールの関係が成り立つので、「make = ~にする」の意味。
→ make A B=「AをBにする」※Bは名詞・形容詞・動詞のいずれか
つまり、makeの文は常にAとBがイコールかどうかを考えるようにする、ということです。ここが最重要ポイントです。
そして、イコールじゃないな、と思った時(構造2のとき)が、「使役動詞のmake」ということです。
※上記の英文が理解できない(またはTOEIC500点以下の方)へ
上記の英文が、解説を読んでも今一つ理解できない、ちょっと難しいと感じる方(もしくは、TOEIC500点以下の方)は、文法の基礎を再度見直しましょう。初級レベルの方には下記の英語本が評判がいいので、おすすめです。
≫ 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく
覚えておきたいmakeの使い方
基本的にはどんな名・形・動詞もmakeと一緒に使えますが、特によく使われる動詞workとhappenを挙げておきます。
make it work
このworkは「うまくいく」の意味の動詞。workは名詞と動詞が存在するので少しややこしいですよね。何かが現状がうまく行っていない時に「~をうまくいくようにする、潤滑に運ぶ」と言いたい時のフレーズです。
I hope we can make things work again.
(また状況が元通りにうまく運ぶといいけど)
Making a marriage work can take a lot of effort.
(結婚生活をうまくやるには、相当の努力が必要だ)
make it happen
これもよく使われる組み合わせです。「make it happen = それを起こさせる」という直訳だと、訳がわからない意味になるので、「努力してそうなる、そうなるように手配する、実現するように尽力する」と考えると理解しやすいです。
上司: Can you do it like now? I'm in a hurry.
(ねえ、それ今すぐとかにやってくれないかな?急いでるんだ)
部下: Saying that isn't gonna make it happen any faster.
(そんな風に急かしたって早くなりませんからね)