英語の文がうまく作れない人
「建物の階数をうまく言えないなあ。ぜんぶfloorでいいのかなあ。ネイティブはどう表現してるの?何か基準やルールはあるのかな。」
こういった疑問に答えます。
「階」は Floor Story Flight
カタカナ英語で「フロア」という言葉を私たちは日々使っていますが、実はこの単語、本来の英語ではある場面でのみ使われます。
英語圏では、オフィスビルや住宅での「~階」にあたる言葉として、状況に応じて次の3つを使い分けています。
- floor
1つ1つの「階」に焦点を当てている場合。
例)私は5階に住んでいます。 - story
建物の高さを表す際の「階」です。
例)この建物は20階建てです。 - flight
1階分の階段を指します。
例)彼は2階下に住んでいます。
大抵の方は、storyやflightは意外に思われるかもしれませんね。私も30年前はそうでした笑
でも、ネイティブにとっては小さい頃から使っている言葉なので、彼らにとっては当たり前の日常用語に過ぎません。
例えば、私たちの日本語では建物の構造や作りに応じて、「マンション、アパート、団地、社宅、公営住宅 etc」などと使い分けていますが、英語ではおおむね、apartmentだけでOKです。それと一緒ですね。
それでは、個々に3つの使い分けを見ていきましょう。
「階」Floorが使われる場合
一つ一つの階に焦点を当てて言う時は、floorを使います。levelと言い換えてもOKです。
I live on the 2nd floor.
(私は2階に住んでいます)
floorは文字通り「床」です。あくまでも平面の床です。空間は含みません。
つまり、floor自体に高さの概念はないということです。
だから、floorは一つ一つの階に焦点を当てた時だけ使われるということですね。「この建物は10階建てだ」という文では使えないということになります。
I live on the 5th floor.
(私は5階に住んでいます)
What floor do you live on?
(何階に住んでるの?)
My office is on the 20th floor, but the cafeteria is on the 19th floor.
(会社は20階にありますが、食堂は19階にあります)
カタカナで木の床のことを「フローリング」と言ったりしますが、正しくは
a wooden floor
a wood floor
a hardwood floor
のように表現します。覚えておきましょう。
「階」Storyが使われる場合
storyは、建物の高さを「~階建て」と表現したい時に使われます。1つの階に焦点を当てている時には使いません。必ず全体の階数を指す時のみです。
My parents live in a single-story house.
(両親は平屋に住んでます)
This building has 20 stories.
(このビルは20階建てです)
I live on the 1st floor of a 2-story apartment.
(私は2階建てアパートの1階に住んでいます)
This apartment is 5 stories high.
(このアパートは5階建てです)
His new house has four stories including the attic.
(彼の新居は屋根裏部屋を含めると4階建てです)
How many stories is the building where you work?
(あなたの職場があるビルは何階建てなの?)
「階」Flightが使われる場合
Flightというのは、1階から2階までの、ひと続きの(1階分の)階段のことです。
例えば、2階から飛び立って(降りてきて)1階に着陸する飛行機だと思ってください。
階段を上がった所と降りた所を landing と言います。途中で踊り場がある長い階段の場合も、その踊り場を landing と呼びます。面白いですよね。
I had to walk five flights up to the top.
(最上階まで5階分歩いた)
He lives two flights down from here.
(彼は2階下に住んでいます)
I fell down a flight of stairs and broke my arm.
(私は階段から落ちて、腕を骨折した)
The cafeteria is one flight down.
(食堂は1階下にあります)
She pushed him down a flight of stairs.
(彼女は彼を階段の上から突き落とした)
He went up two flights of stairs.
(彼は2階分のぼっていった)
Go down two flights of stairs.
(2階下に降りていってください)
あとがき
さて、いかがでしたか? 日本語だと全部「フロア」という言葉を使っているので、storyやflightも「階」だというのは意外ですよね。
このように、カタカナで使っている言葉ほど盲点になりやすいので、なるべく日頃からカタカナを信用せずに、スマホでチャチャっと調べる習慣を付けましょう。
最後に、次の英文はどんな意味でしょう?
Come another flight up.
わかりましたか?
答えは・・・
「もう1階上に上がっておいで。」
floor, story, flight の3つの使い分けをぜひ身に付けてください!