あいまい音 Schwa

Schwa Sound [ə]

1. 弱い箇所は常にあいまい音

強い母音と弱いあいまい音ではっきりメリハリを!
日本語と英語の発音で最も違いがハッキリしているのが、この Schwa (あいまい音) の存在でしょう。日本語は強弱に関係なく5つの母音(アイウエオ)を単語の中で発音してしまいますが、英語は強い箇所だけハッキリした母音を使い、残りの弱い箇所はほぼすべて Schwa [ə]を発音します。

例えば、カタカナと比較するとその違いが驚くほどわかります。

セブンイレブン seven eleven [sévənəlévən]
アニマル animal [ǽnəməl]
チョコレート chocolate [tʃɑ́ːkələt]
エピソード episode [épəsòud]
ドナルド Donald [dɑ́ːnəld]
リンカーン Lincoln [líŋkən]

そんなに違うの??とビックリされたかもしれませんが、これが現実です。裏を返せば、アメリカ人もカタカナ発音を聞いた時に、あなたと同じくらい驚きます。そして、あなたが英単語を聞いたときに訳が分からなくなるのと同様に、彼らもあなたのカタカナ発音が訳が分からないのです。

Schwa [ə] は単独で発音すると、あいまいに言うだけなので、たいして難しくないのですが、単語の中では非常に言いづらいのです。
では、Schwa あいまい母音 [ə] を、実際に練習してみましょう。いかに言いづらいか、わかると思います。

second
eleven
Monica
purpose
Peru

control
computer
comedy
comedian
accident

genre
Los Angeles
Miranda Kerr
except
accept
※except-accept は同じ発音です。than-then も同じ発音。彼らは文の中で無意識にこれらを同じ発音で言ってしまいます。すべて schwa の存在のせいです。

2. 語尾 -el, -al, -il, -ol, -ul, -ial, -ael, -le, -ile

すべて同じ発音で終わる!
語尾がLで終わる単語は、Lの直前がどんな文字だろうと、「あいまい音+L」になるので、すべて同じ発音で終わります。Lの前の文字に引きずられないように注意してください。

people
couple
table
trouble
label
level
Billy Joel
novel
model
cancel
nickel

channel
McDonald
Michael
capsule
missile
mobile
normal
April
evil
social
pencil

equal
local
signal
typical
total
capital
digital
vital
mineral
towel
angel
fuel
Hey Siri, I need some fuel.

3. 語尾 -an, -en, -on, -in, -ain, -ion, -eon

すべて同じ発音で終わる!
これらの単語は、語尾が弱い位置にあるので、文字がどうであろうと「あいまい音+N」になり、すべて同じ発音で終わります。Nの前の文字に引きずられないように注意してください。

taken
broken
bacon
I can do it.
Lincoln
Mexican
Edison
medicine
Dyson
lesson

open
weapon
happen
imagine
region
wagon
jargon
Logan
bargain

common
lemon
woman
abdomen
vitamin
human
porcelain
Franklin
Michelin

4. 語尾 -at, -ot, -et, -ate

すべて同じ発音で終わる!
これらの単語は、語尾が弱い位置にあるので、文字がどうであろうと「あいまい音+T」になり、すべて同じ発音で終わります。Tの前の文字に引きずられないように注意してください。

blanket
ticket
Connecticut [kənétikət]
delicate
Grand Hyatt

tablet
pilot [páilət]
pirate [páirət]
carrot
idiot

5. 語尾 -age

「~エイジ」にならないよう注意!
語尾が -age の単語は、語尾が弱い位置にあるので、文字がどうであろうと「あいまい音+dʒ」になり、短く「エッジ」のように終わります。

image
village
college
damage
message

storage
courage
language
manage
mileage

6. 語中の "i"

母音が消えないよう注意!
語中に弱い i があるときは、日本人の傾向として、その母音を潰してしまい、発音できていないことがよくあります。弱くても必ずあいまい母音 [ə] を意識して、言えるように練習することが大事です。

accident
recipe
difficult
situation
Mexico

typical
positive
beautiful
capital
hospital

capacity
electricity
confident
episode
identity

語尾 -ate

語尾が -ate で終わる単語は、品詞によって発音が変わります。全部「~エイト」と発音するわけではありません。

語尾 -ate の発音は次の2通り!

  1. 名詞・形容詞 [ət] 短めに「エット」
    private [práivət]
    chocolate [tʃɔ́klət]
    immediately [imíːdiətli]
  2. 動詞 [èit] 長めに「エイト」
    celebrate [séləbrèit]
    operate [ɑ́pərèit]

この2つの発音ルールがあるのです。我々日本人は、-ateで終わる単語は何でも「~エイト」と動詞のように発音する傾向にあるので、名詞や形容詞の場合は特に注意が必要です。

名詞・形容詞の場合
private
chocolate
climate
certificate
unfortunate
delicate
separate
accurate
immediate
immediately
coordinate

動詞の場合
cooperate
separate
celebrate
designate
operate
underestimate
activate
concentrate
exaggerate
imitate
facilitate

UL の発音

単語の中に、-ul- のスペルがある場合の発音は、母音がLに引っ張られて Schwa に近くなるため、「ア」寄りではなく「オ」寄りに変化します。かなり注意が必要です。

culture
bulb
multiple
pulse
ultra

ultimate
Mulder
the Gulf War
consulting
pulp

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